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有名軍艦「春日丸」が香港にやって来た!日本領事館は尻拭い(涙)

軍艦のことは全く知識がないので「春日丸」でググったら、萌えキャラでてきた!有名な軍艦だったのですね!

 

春日丸は薩摩藩がイギリスから購入した木製軍艦。イギリスは本来、清朝に売るつもりで船の名前も「江蘇艦」だったのですが、清朝が「えー、めっちゃ高いわ、買われへんわ」と拒絶。イギリスが「じゃー、他に売るわ」と行って、インドや日本を模索。

ある日、長崎港に止まっていた春日丸(当時、まだ江蘇艦)を見初めた薩摩藩が購入。戊辰戦争(明治政府軍と旧幕府勢力及び奥羽越列藩同盟との内戦)で大活躍したみたいです。

 

そんなアイドル春日丸は、明治7年(1874年)1月末に香港に到着。記録によると「井上少佐」以下143名の乗組員がいました。ちなみに井上少佐は「井上良馨」で間違いないだろうと言われています。(この時期に井上良馨が春日丸の艦長でした)

 

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実は春日丸、香港にくる前にちょっとトラブルを起こしています。先に立ち寄ったアモイ(廈門)で春日丸が入港しようとした時、イギリス国旗を掲げた小舟が近づいてきました。その小舟にいたイギリス人が春日丸に上げてくれと要求します。

 

イギリス人に質問すると「港務長(港湾管理のボス)の代理でーす」というし、以前も他の港で同じような経験があったので「なら、えぇかな」と船に上がることを承諾。このイギリス人は大変親切で、その態度に感動した春日丸側は宴会にも呼んであげるほどの歓待。

 

「さて、アモイ出よか」となった時に、そのイギリス人から「水先案内費用」の請求が!びっくりした春日丸側は「えー、そんな話、聞いてないし。水先案内人とかやったら軍艦に上げてないし、そもそもあんたが港務長の代理人言うから載せたんやんか。ニンポー(寧波)でも同じようなことあったけど、お金払ってないし、ここでも払わへんで」と言い捨て、さっさと香港に来てしまいました。

 

無視して香港に来てしまう春日丸もすごいけど、イギリス人も負けてません!なんとアモイ税関を通して、直接香港の日本領事館に請求がきます。びっくりした日本領事館!「ちょっとちょっと、井上少佐。一体何があったん?イギリス人から請求来てるんやけど。。」と聞くと、井上少佐は「ほんま絶対払わへんしな!!」と支払いを断固拒否。

 

板挟みの領事館は、それから1年以上の時間をかけて双方の言い分を聞き、最終的に翌年明治8年6月にお互い誤解があったことを理解したそうです。「そんなたいしたこともなしな」と、その後はさっさと支払いを済ませて問題は解決したそうです。いやー、なんか大変。

 

 

春日丸が香港に来ていたタイミングでもう1つ別のことが起こっていました。

それは民間人「渡辺貞吉」さんのお話。

 

貞吉さんはイギリス船で働いていて、春日丸がやってくる前年12月に香港に到着。香港では船乗りが泊まる宿(中国系旅館)に泊まっていました。彼は次の仕事を見つけようと毎日港に行くも外国船に乗る仕事は見つからず、そのうちお金も底をつき、宿賃の支払いが滞ります。宿屋の主人には「払ろたって、早く!」とせっつかれるも、お金がない貞吉さんはどうしようもありません。そのうち宿屋の主人と大げんかになってしまいました。「ワシかて、帰りたいねーん!」と泣きべそをかいていた、その頃に春日丸が入港します!

 

それを知った貞吉さん、早速領事館に「帰らせて!その軍艦に乗って帰りたいねん!」と訴え、事情を理解した領事館は春日丸へ連絡。春日丸はすぐに了承し、貞吉さんの借金9元50分を春日丸が肩代わりします。貞吉さんは無事に帰国しました。めでたし、めでたし。

 

って、春日丸!自分が踏み倒したお金はどうなっとるんやーい!

 

 

 

 

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