香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

デモのスローガン「反送中」ってなぁに?

昨日(9日)は103万人もの人が「逃犯条例の改正案反対」デモに参加しました。世界中で報道されたので知っている人が多いかと思います。ちなみに警察発表は24万人でしたが、いつも主催者と警察の発表は大きな差がありますので「香港あるある」です。

 

さて話を戻しまして「逃犯条例の改正案反対」について軽くご説明いたします。現在の条例では、中国や台湾で犯罪を犯した人が香港に来た場合、犯人を相手側に引き渡すことができません。

 

そこで政府は条例を改正して、引き渡せるようにしようとしています。

きっかけは2018年に台湾で起きた事件でした。若い香港人カップルが台湾旅行にき、男が女性を殺害。男はそのまま香港に帰ってきました。台湾に引き渡す条例がないため、殺人の罪では裁かれていません。現在、男は香港で「他の罪(マネーロンダリング)」で刑務所に入っています。でも現状では本来の殺人では罪が裁かれないため、女性のご家族はさぞかし辛いことだろうと思います。

 

突然ですが、不思議に感じませんか?

台湾に引き渡すために、なぜ「中国本土」が絡んでくるのでしょうか。違う国でしょ?と思うのですが、悲しいかな、今の香港は「中国の一部」だからです。香港人は誰も「台湾が中国だ」なんて考えていません。でも法律上は「一つの国」なんです。

 

そこで台湾へ引き渡すよう、条例を変えるのになぜか「中国本土」がもれなくくっついてきました。私はこの時点でものすごい衝撃を受けたのですが。

 

そして、政治犯は対象ではないと言う政府ですが、今までいろんなことがあった香港人はそんな事信じません。「真の普通選挙」だって完全棚上げ、行われそうな気配は全くありません。以前、外国人記者クラブにて香港独立を謳う香港民族党の演説の場を設けられたのですが、その後、外国人記者クラブの副主席のビザが延長できない事件もありました。

 

こんな状況で「言論の自由はあるわよ。政治犯は大丈夫❤️」って言われても信じられるかーい!

 

香港人の間で「逃犯条例」を「送中(中国へ送る)条例」と言い換えられ、市民からは激しい反対を受けています。

 

突然スローガンの話に戻りますが、皆さん、もうおわかりですね!(え?すでに知ってた?)

 

「反送中」は「送中(中国へ送る)条例」反対!の略なんです。

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2019年6月9日 デモの様子

 

現在、香港政府は12日(水)に改正案を次の審査段階へ持ち込むと発表しています。それに抗議し、12日は一部の小売りやレストラン店舗が店を閉めると言っています。

 

ちなみに「犯罪者を野放しにできる状態にある香港は良くない!」と言って、この改正案に賛成する人がいることもまた事実です。

 

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