近代史妄想小説〜本妻物語〜(7)
この小説は史実をベースに書かれていますが、個人的な妄想です。
皆様との解釈の違い、不愉快な表現があるかもしれませんが、それは妄想なのでお許しください。
では、お楽しみください。
お香の生活はと言うと、撫子よりややこしそうなスサオを尻目に忙しい日々を送っていた。
チャイ男の家庭崩壊は凄まじいもので、ケンカのとばっちりを受けて逃げてくる者、ケンカに負けて一旦お香の元に駆け込んでくる者なんかでごった返していた。
「くそー‼ 今度はやったっる!負けへんど!」
チャイ男に刃向かう家族がお香の家で息巻いている。
お香の夫のチャイ男だが、お香が英太に取られてから、取り返す甲斐性もない。そんなチャイ男に気持ちも冷めるお香。
お香はいつしか積極的にチャイ男に刃向かう家族を匿う様になっていった。
それに関して、英太も特に反対もしない。英太としては、他人の家のゴタゴタに巻き込まれたくないのが心情だった。お香含めその家族がこの家のルールは英太が決めている事を忘れず、彼のビジネスに口を挟んでこなければ、彼としては何の文句もなかった。
一方お香は英太に監視され自由がきかない事も多く、恨み言があるとは言え、彼女の家族への対応、しきたりやお祝い事を自由にさせてくれる彼は魅力的だった。
なんせ彼はセレブで、ビジネスも上手くて、彼の愛人となってからの生活の豊かさは以前と比べようがない。ケンカも強い英太の側では、心配することは何もないとお香は信じていた。
そんな彼女の生活もきな臭さを感じるようになってきた。実は、チャイ男家のお家騒動だと思っていたが争いに、いつの間にやらスサオがその一方に加担していた。つまり、スサオにヤラれたチャイ男家族がお香の元に逃げていたのだった。
お香は彼らの怪我を治したり、食料を準備したりと奔走していた。そのお陰で、スサオ加担側がどんなに頑張っても、元気になったやつらがまたケンカを挑みにやってくる。しかも英太を通じて、その状況が諸外国セレブにも伝わっており、彼らの対するスサオの印象は非常に悪かった。スサオがそんなお香を快く思う訳はなく、
「あの女、超目障りだな。元を断て。」
と、お香の家に乗り込む算段を始めていたのだった。