香港人ギャグ炸裂。映画「ビルサイト」？
社会的な問題が起きた時、香港人のギャグとして昇華する様はいつも舌を巻きますが、今回は、ベースとなるトピックを選ぶセンス、そして作り上げた作品のクオリティの高さに喝采でした。
私なりに解読して見ました。
・タイトル「VIRUSITE」
ウイルス（Virus）とオスカーを受賞した韓国映画パラサイト（Parasite）の造語。パラサイト（寄生虫）は一体誰のことでしょうね。
・「習近平」
もちろん主役ですね。きっちりマスクをして、しっかり立っています。「中国政府をあげてウイルスと闘う！」と言ってから、2月10日までは全く音沙汰がありませんでした。存在感がありながらも、沈黙している様子はまさにそのまま？
・「キャリーラム（林鄭月娥）」
すっかり有名になった香港特別行政区の行政長官です。このはしゃいだ感じのラムちゃんは、民主派メディアが政府（特にキャリーラム）をからかう時に使っています。ちょっと可愛い感じですね。マスクを外して満面の笑顔。
ある記者会見を境に、彼女は一切マスクをしなくなりました。記者会見で「世界的にマスク不足です。医療関係者など本当に必要な人に回すべきです。官僚達にはつけないように命令しました」と回答。香港の官僚がつけなくなったくらいで、どれだけマスク不足が解消するんでしょう。
また香港居民がSARSの再来と恐れおののき、中国との国境を止めるように呼びかけたにもかかわらず無視。医療関係者がストを起こしたことで、やっとかなりのイミグレの閉鎖を決定。「全面閉鎖にしない限り、ウイルスは持ち込まれる」との市民の声は届きそうにありません。
ちなみに、昨年のデモの際に「覆面禁止令」を出しましたが、高等裁判所によって「違法」と言われ、現在は政府が上訴をしている最中です。そのため、ラムちゃんが一時マスクをした際に、香港中から叩かれた経緯もあります。
他の人の説明に入る前に、目につくところから。
・画面一番右の山積みの箱「CSi」
これは医療用マスク。現場でいくつあっても足りないものです。先日（９日くらいかな？）香港刑務所で作られたこのマスクがなぜか香港空港に運び込まれており、その写真がネットに流出（マスクは一般の通路にあった）。ネットで「香港でマスクが足りない時に、中国に送るつもりなのか！」と激しい非難。政府はすぐに「中国へ送りません。これは香港の医療関係者など必要とする人が使用するものです」と声明。
しかしこれを信じる人はおらず「だったらなんで空港に運んだ！」と非難轟々。
ちなみに下の二箱が逆さになってるところは、現場の雑な作業を何気に表現していてグッド。
・赤い何か
これは巨大な新型コロナウイルスですね。怖い。。
・手前の屍体のような足とマスク
いい加減な政府に弄ばれ、死んでいく市民。悲しい。。
では残りの人物を、簡単にご紹介を。
・食物及び衛生局局長 : Sophia CHAN（ソフィア・チャン）
庭のカウチで上半身をあげている女性。彼女は感染を止めること、感染者の対応などにあたる部門のトップです。
先日、彼女は「前線で闘う同僚を思うと不憫で。。」と記者会見で泣きました。マスクも買えない人もいる一般市民はかわいそうじゃないのかな？
彼女は以前「催涙弾の成分は公表できない。警察の行動に影響するから」と言い放ち、香港中が怒り狂いました。香港中が催涙弾で溢れ、体調不良を起こす人が増加。掃除をするにもどんな洗剤が使えるのか判断するには成分が必要でした。
・ 政務司司長 : Matthew CHEUNG（マヒュー・チョン）
ソフィア・チャンの隣で寝転がっている男性。行政長官の腰巾着。官僚のトップです。
ラムちゃんの援護射撃を一生懸命行っており「中国から香港への入境数は大幅に減少。デマに耳を貸してはいけない！」と述べておりました。何をデマと言っているのかよくわかりませんが。。
・保安局局長 : John LEE（ジョン・リー）
左の家の中から外を見てる子供。保安局は香港の秩序を守る部門で、イミグレーション・税関・刑務所・消防・救護関係と重要な部分を一手に抑えている組織のトップです。
香港が「中国からの入境者については一律14日間の強制権益（かなり抜けているところがありますが）」を始める前日、香港には案の定、多くの人が押しかけました。（実際は中国に住む香港人が多かったと言われています）
その時に「（人数の増加は）理解できる」発言。ウイルスの流入を恐れる香港人から非難を浴びました。ちなみにこの人は、デモ隊を鎮圧するために警察がスタンガンを所有することにとても理解を示していました。
↑宜しくお願いします。
