香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

香港デモ~政府の攻撃。中国戸籍問題も一挙解決?~

 やっぱり来ました!

政府がデモの混乱に乗じて、前々から通そうとしていた条例の草案がサクッと平等機会委員会から提出されていました。それは何かと言いますと「差別(禁止)条例」です。その中でも香港人が警戒しているのが「新移民に対しての差別」の部分。

 

表面上は「新移民に対して差別をしない、平等に扱うように」という内容ですが、事実上「新移民=中国大陸人」となっています。また別の個所では「内地人(大陸人)」と明記されていました。

 

「差別はいけない。この条例はいいんじゃない?」と思われる方が大勢いらっしゃるでしょう。正にその通りです。では、何が問題なのか?

それは「香港人より大陸人を優遇しましょう。」と言ってるのか?と思われる文章があることです。

 

草案のP43(2.86)にある2013年12月に起きた判例が挙げられています。

「香港在住が7年に満たなければ社会保障が受けられないというのは違憲だ。その政策は大陸から新移民に対し直接『負』の影響を与える」(抜粋)

http://www.eoc.org.hk/EOC/Upload/UserFiles/File/DLRConsultationDocument(Chi).pdf

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ここでのポイントを申し上げます。

1.香港のビザを取得して7年経てば永住権が得られる。

2.永住権がある人は外国人でも香港人と同様の社会福祉が享受できる

3.7年経たない人は、社会保障が受けられない。

4.なぜなら香港の社会保障とは香港人のためにある。

 

どうですか?真っ当ではありませんか?

それを2013年に永住権を持たない大陸人が「違憲だ。香港は中国じゃないか」と訴えたわけです。

 

ここで、「それもそうだよね」と思われた方、いらっしゃるでしょう。

でも、そうじゃないんです。

 

中国には海外でも知っている方がいる大きな問題があります。それは「戸籍問題」。

これは何かと言うと、省や市ごとに戸籍を作成し、人民が勝手によその土地で暮らせないよう管理したものです。

 

例えば、桂林の人が北京に行って働くのは構いませんが「北京戸籍」は得られません。するとどうなるかというと、

1.北京で働いているので保険費用は払っている

2.でも、北京戸籍ではないので、病気になっても北京では保険は使えない

3.子供が生まれても、桂林戸籍の親の子供なので北京では無料で学校に通えない

 

細かい条件は端折りました。子供の場合、片親が北京戸籍ならOKとかあるのですが、きりがないので。。問題点もまだまだいっぱいあるのですが、これくらいで。

 

大陸人が香港に来るにはパスポートもビザも必要です。にも関わらず、香港のビザを取得したからと言って、永住権を得ていない大陸人が何を言うか!ちゃんと7年経てば永住権はもらえます。我慢すればいい。

 

この判決は明らかに中央の指図だと言われています。

香港人はこんな目にも合っているわけです。

 

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