香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

お金が全てじゃない!投資移民ビザの凍結

19日の人民日報海外版で「香港はなぜ投資移民に対し態度を変えたのか」と言うコラムが出されました。人民日報といえば、共産党の機関紙。海外版とは言え、香港の様子を冷静にとらえ、中国大陸人の投資に対して苦言を呈した内容は意外な気がしました。

 

私が読んだ印象では、このコラムで、本来投資というものは経済の発展、貢献を考えて行うべきものなのに、後さき考えず、自分のやりたいようにやった金持ちのわがままが生んだのが今回の「後果(良くない結果)=香港人が住めないほどの不動産バブル」だと言っています。

しかし、このビザが施行された2003年当時、SARSの後で経済がどん底だった香港は海外からの投資を欲していたのも事実です。ちょっとうがった見方をすると、中国を利用しようとして翻弄された香港。

投資移民ビザの凍結は、香港が「お金ではなく、人材が必要なんだ!」と仕切りなおしたと言ったところでしょうか。香港を利用して海外へ資産を逃がそうとしていた中国人には衝撃だったのではないでしょうか。

さて、今まで「金持ち中国人に札束で顔をひっぱたかれてきた香港人」のささやかな逆襲になるのか、如何に?

下記は少し意訳や割愛部分があるので、少し分かりにくいかも。ご了承ください。

 

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(人民日報海外版より)

香港投資移民ビザを申請する人の90%が中国大陸人です。

投資移民ビザの大きな特徴が2つあり、まず1つ目に他のビザ(就労ビザ等)と違い、香港に居住しなくてはならいと言う規制がない事、2つ目に香港居民の持っている資産は外貨規制を受けないとの利点があります。

 

2003年以降、香港に移民してきた人達の「罪」は「金持ちのわがまま」です。香港の不動産を買いあさり、香港の一般的な不動産は豪邸並みの価格になりました。

 

多くの投資家たちは自分自身が国外で何に投資してよいか分かっていないため、安易に不動産投資に走りました。そして移民達は「不動産価格を釣り上げる以外、何もしない。香港政府が望んだ結果ではない」と言われるに至ったのです。

 

本来、香港政府が投資移民ビザを開始した目的は、2003年当時、衰退していた香港経済を海外からの資金で活性化し、新たな産業を生み出し、新しい雇用を促進することにありました。そして今回の施政報告で「香港が必要なのは『財』ではなく『人』である」と発表するに至りました。

 

香港投資移民ビザは暫定的に停止となっていますが、短期内に再施行されることはないでしょう。

 

以上です。

中国も変わりつつあります。何だか希望が持てるコラムでした。

頑張れ!香港。中国も頑張れ!

 

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