香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

台風シグナルと船(香港的台風生活)

台風「ウトア(UTOR)」の影響で大風、時折大雨がきております。

昨日は旧暦7月7日だったのに。

お空の遥かに上にいる織り姫と彦星のおデートには影響はなかったことでしょう。

 

香港には日本にはない制度(?)があります。

それは「台風シグナル」。

 

これはT1(シグナル1)に始まり「3、8、9、10」と数字は飛び飛びで警報が出されます。

T3になると船が停まり、T8になると会社までお休みです。

 

このシグナルですが、こんなものがない日本人にとっては

「えっ?これで船が停まるの?」

とか

「えっ?これで会社休みなの?」

とか色々思う方もいらっしゃいます。

 

私も以前、雨がまだ降り出しておらず、強風だけでT8が出て、

強制帰宅になった事がありました。

正直「えっ?これで?」と思ったのですが、香港の方に言われた言葉。

「シグナルは雨というより、風の強さで決まるみたいですよ。

風が強いと、看板が落ちてきますから。」

 

・・・・・!!!そうだった!

 

あの香港名物の吊り看板。普段でも少し強い風がふけば

「プラーン。プラーン」

と揺れています。

確かに台風の風なら落ちてくるかも。いや、落ちます。

不運にもそれで亡くなった方も結構いらっしゃいます。

 

そうか、そこまでお気遣いいただいているとはさすが文明国家。

言う通りに、すぐ帰りま~す!

 

ちなみにこの「台風シグナル制度」ですが、その前身は1884年から始まりました。

イギリス統治が始まって間もなくです。

当初は、台風の位置や状況を「船舶」に伝えるためであり、香港市民に伝えるものではありませんでした。

 

なので、現代にいたっても、天文台はまず「船会社」に通知を行っているんでしょうね。

 

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1907年。

「爆薬」を使い、皆様へお知らせ。スケールが違う。

それは1937年まで続いたとか。

 

ちなみに、数字で表し始めた際は、ちゃんと1~10までビッチリあったようですが、

「うわっ。ややこしっ。」

という理由により、現在の形になったそうです。

 

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どちらにしろ、日本にはない制度。

「シグナル8」が出た時に、ビルのマネージメント会社から

「はよ、帰れ。台風やど。」

と追い出しを食らうのには、当初は驚くものです。

 

 

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