近代史妄想小説〜本妻物語〜(9)
この小説は史実をベースに書かれていますが、個人的な妄想です。
皆様との解釈の違い、不愉快な表現があるかもしれませんが、それは妄想なのでお許しください。
登場人物:お香(香港。主役。チャイ男の本妻として生きるも、様々な試練にあう)
英太(イギリス)
チャイ男(中国)
撫子(日本)
スサオ(関東軍)
《前回までのあらすじ》
無理矢理、英太の愛人にさせられたお香。ただし、英太のビジネス才覚で裕福な生活となり、また英太はお香の親戚問題(チャイ男のお家騒動)にあまり口出しをしなかったため、それなりに生活を謳歌していた。
そんな矢先、スサオが乱入、英太を力づくで追い出してしまう。そして、たった一人、家に上がり込んできたスサオと対峙するお香だった。。
「ちょ、ちょっと!!ありえない!!英太は??あ、あぁぁのさ、土足はやめてくれる!!??」
お香は大パニック。そりゃそうだろう、あの乱暴者スサオとなぜ好き好んで対峙しなくてはならないのか。彼女は撫子と違い、武道の「ぶ」の字も知らないのだ。
「はぁ??土足はやめろって、お前の愛人は部屋の中を土足で上がる野蛮人じゃねぇか。まぁ、一緒にされたくないから、靴、脱いでやるよ。俺のスタイルな。」
そそくさと靴を脱いで、ドッカと床にあぐらをかく、スサオ。身体を硬直させるお香。
「な、撫子はっ⁈ 私、知ってるわよっ。あんた、撫子家でも超問題児なんでしょ⁈ 勝手にこんな事していいの⁈ 」
スサオは目を細め、お香を見ていた。
少し怯むお香。でも、今まで男の好き勝手さに翻弄されてきたお香なので、案外肝は座っている。
「あんたさ、海外セレブから超評判悪いの分かってる?撫子も大抵やんちゃだけど、あんたは横暴!凶暴!孤立するわよ!もうしてるわよ!」
お香、スサオ相手にまくし立てた。スサオは前に身を乗り出し、睨みつける。
(怖い‼ やばい‼ 殺られる‼ バカッ!私!)
お香パニック!でも、身体が動かない。
「お前ら、どいつもこいつも『撫子、撫子』ってうぜぇ‼」
恫喝するような大きな声だった。その後、少し考えるようなそぶりを見せ、さっきとは対照的な静かな声で言った。
「あいつはな、引きこもってるよ。」
「・・・・・。はっ?引きこもり?」
「俺らの家系ってさ、昔から究極に困ると引きこもる癖があって。遠いご先祖も洞窟にこもってた事がある。」
「はぁぁ⁇ この大事な時に引きこもり⁈ 舐めてんの?ちょっと⁈」
お香、怒りがフツフツと湧いてくる。
↑ポチッとよろしくです。