香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

言語ステイタス(香港言語の秘密)その貳

続きです。

ここは香港ですので、街で一番多く使われているのは広東語です。

 

皆様ご存知の通り、1997年に中国へ返還された香港。

一国二制度が守られていて、中国と香港の国境は未だにイミグレで管理され、パスポートが必要とは言え、やはり中国。

 

経済的に大陸人に依存する程度が半端なくなっています。

リーマンショック後、中国で4兆元という莫大な景気刺激対策がうたれ、その恩恵を何となく受けた香港。

「その恩恵を受ける」と言う事は、一般市民レベルでは意思疎通が滞りなく行われなければなりません。

 

お金が絡むとものすごい能力を発揮する香港。

喋れなかった大人達は自分で勉強し意思疎通が図れるようになっています。

返還後は、学校教育の場で教えているので、若者の普通語(北京語)レベルは非常に高いです。

(一方で英語は衰えていますが)

 

 

私が香港にきた十数年ほど前ですが、普通語で道を尋ねたり、話しかけたりすると

「!!??? 不会!(できません!)」

とパニックになって逃げられました。

というか、「『不会』って普通語やし!!しゃべってるやん!」

 

日本人が、外国人に英語で話しかけられて、

「I can not speak English!@!!@#」

と慌てふためいて逃げるような感じですね。

 

一方で、一生懸命答えられても、「普通語のつもりの広東語」で意味不明だったりしたものです。今では、英語よりも普通語(北京語)になり、その激しい変化、香港人の驚くまでの柔軟な対応に感嘆しきりです。

 

街中でたま~~にですが、簡体字を見かける事もあります。

香港の街で簡体字を見つけた時は、すごくショックでした。とうとう、大陸の波が押し寄せてきたのか、と。

 

 

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香港人は簡体字(大陸で使用)を「画数の少ない、記号のような意味不明な文字」くらいに思っていますが、大陸人も繁体字(香港・台湾で使用)を「画数がやたら多い意味不明な文字」と思っています。

 

大陸人は「繁体字」の中に「美」を見いだす人も少なくないようです。日常で使うというより、アートとして捉えているという事ですね。

 

また面白い事に、香港人に「この簡体字、何て読むの?」と聞かれたり、大陸人に「これ、香港の単語だから意味が分からないんだけど」と聞かれたりします。

 

政治問題はあるとは言え、お互い理解しあえれば、きっと楽しいです。

 

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