香港、小さな場所だと思いきや。

香港の過去や現在を、斜め上の視点で観察。

香港デモ収束?〜C.Y.梁(行政長官)が嫌われる理由〜

昨日の香港は暴力沙汰も起こり、波乱なデモとなりました。

その後すぐに、行政長官C.Y.梁が「緊急警告」を出しました。

「学生達はすぐにその場を離れなさい。

私は市民が傷つくところを見たくない。」

 

あまりのやる気度にこれは撤退するしかありません。

 

今回のデモを収束させ、話合いを行う算段となりました。まとめ役がいて、良い方向に進む事を祈るばかりですが、まだまだ起こりそうな予感がします。

 

さて、行政長官C.Y.梁ですが、なぜここまで嫌われているかと言うと、彼が

当選した行政長官選挙の時にすったもんだがありすぎたから、とも言えます。

 

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行政長官選挙の場合、候補者を市民が直接選ぶ事はできません。しかし、前回の選挙の際に、中央よりの候補者だけがいるのではなく、香港人に人気の高い民主派の候補者(唐英年氏) もいました。しかも下馬評ではそちらが有利。そのまま選挙になっていれば民主派の彼が当選した可能性が非常に高かったのです。

 

そんな民主派候補者の唐英年氏がある日突然、「彼の家(一戸建て)が違法建築だ」とすっぱ抜かれました。香港では一戸建て自体が「豪邸」なのですが、その一戸建て豪邸に「大きな地下室」があることがわかったのです。地下室、これは香港では違法なのです。

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(写真:唐英年氏)

 

その後、メディアは唐氏の奥さんにも責任がある、最悪だとか書き立て、最有力候補だった唐氏は立候補を辞退しました。

 

ちなみに騒がれた時期も悪く、選挙があったのは2012年、まさに香港不動産がめっちゃめちゃ上がって、市民は息も絶え絶えになっていた頃。政治家が勝手な事してると知って怒り、それを取り締まってない政府にも切れまくり。(どこの国も同じなのか?)

 

実は、唐氏以外の政治家の家も違法建築があり、ゴチャゴチャしたのですが、結果的に「あれ?誰も適当な候補者がいないんじゃ?」という今までに見た事ないくらいの「超消去法」でC.Y.梁が選ばれました。

 

この違法建築騒ぎも「共産党の陰謀だ!」との声があがっておりました。実際、民主派の唐氏が通れば中国は面倒くさい事が起きたでしょう。そこで益々CYは「共産党の手先」とのイメージがつきました。また、その後「愛国教育」問題勃発を見ても、かれは中央寄りである事をはっきりと示しているように思います。

 

 ちなみに私の香港人の友人が、CYが当選した時に漏らした感想ですが、

「まぁ、候補者の中で、彼が一番、見た目がすっきりしてるわよね」

・・・。

それくらい、香港人にとっては他に決め手がなかったようです。

 

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