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香港を襲う巨大台風、日本のご婦人が海へ落ちた?

領事館の記録には1874年に香港を襲った台風の記録が残っています。香港のメディアでも「香港で初めて記録が残っている台風」として紹介されています。

 

「明治時期 香港的日本人」によると明治7年(1874年)9月22日の午後8時より暴風雨になり、それは次の日の朝5時まで続きました。この台風で香港に停泊していた4艘の汽船が沈没、帆掛船の被害数は時間を追うごとに大きくなり、ましてや中国の小舟は数え切れないほど破壊・沈没しました。また香港だけでも5,000人(※1)が死亡、石澳・土瓜灣などの村は壊滅、筲箕灣(シャウケイワン)・油麻地(ヤウマテイ)のお寺は吹き飛ばされ、香港仔(アバディーン)やその他の埠頭の倉庫も重大な被害を受けました。被害総額は約500万元(※2)と言われています。

 

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Bastille Postより

当時、安藤副領事は台風が来る4日前に視察のため広東省に向けて出発、31日(※3)に香港に戻ってきました。そのときに「汽船(熱沃諾路號/英語名は不明)に載っていた1名の日本人のご婦人が海に落ちて溺死してしまった」という話を聞きます。早速、埋葬された溺死者を調べると「日本人に非常に似た人物」がいましたが名前が、わかりません。同じ船に乗っていて幸いにして助かったシェフを見つけだし、話を聞くと「そのご婦人に生前あった事があるが、日本人ではなく中国人だった」といい、日本人ではなかったため安堵した、と記録に残っています。(どこの国の方であっても悲しいことですけどね)

 

※1: ウェブ上では香港の多くの資料が「香港での死亡者は2,000人以上」と書いています。ちなみにマカオの被害がひどく、当時人口わずか15,000人に対し5,000人が死亡したと言われています。

※2: 当時のレートで日本円で3,590万円。当時の1円は現代の約2万円と言われているので換算すると7,200億円の被害となります。

※3: 「明治時期 香港的日本人」の記録通りに書きました。当時は旧暦だったので9月31日が存在したのでしょうか?

 

 

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